2008年 02月 01日
「あこがれ」
日常的な語彙のセリフを丹念に積み上げる。登場人物たちの関係やその推移。つまり「空気」のようなものを感じる舞台。それが日本版でした。その空気を作るために、全ての登場人物が貢献している。同時にその空気から外れないかぎり、どの登場人物にも自然な「いい表情」があり、出番が少なくたって、きちんとリアルな存在感があります。でも韓国版はゼンゼンちがう。まずセリフが長い。しかも演説調。というか、以前流行したフリーマイク形式のポエトリーリーディングを思い出しました。主要登場人物たちがみな「私の気持ちを理解して!」と強くストレートに主張する。モノローグの応酬であって、ダイアローグはほとんどない。そして主張の機会のない登場人物はただの端役でしかない。すっごいなぁ。こうも違うものですか!
ま、私の好みとしては日本版をダンゼン支持します。韓国版は私には too much だなぁ。身も蓋もない。ただあの長セリフはかっこいいですね。韓国語のほうが聴いていて気持ちがいいです。たぶん喋ってる当人もそうでしょう。日本版にはないあの長いセリフを、もし日本語に訳して日本語で朗々と読んだって、たぶんつまらない。韓国で詩が盛んに読まれるのは、声に出して読んだり聴いたりするのが、音楽的に心地よいからなのかしら。(はやし)
by futohen
| 2008-02-01 10:23
| 演劇一般