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「村田エフェンディ滞土録」

 行きの新幹線で梨木香歩の「村田エフェンディ滞土録」(角川文庫)を読了。うん、これはいいですね! こう、NHK辺りにドラマ化してほしい気がする。主演は段田安則がいいように思ったんだけど、それは「迷宮美術館」のイメージからかしら。梨木香歩って、こういう作風だったんですか? 「西の魔女」をちょっと読んだことがあるだけでしたが(「14歳の本棚」に一部抜粋されて所収されていた)、イメージが違いました。他の作品も追跡してみたいです。

 盛岡は明らかに季節がひとつ移っていました。夕方のマチははっきり「寒い」と思った。レッスン生の地元など、今朝は3度だったんだそうです。「3度」ですよ。ついこないだまで30度とかの世界だったのに。あの猛暑がウソのようだ。東京も急に冷え込んできましたね。私は風邪気味です。ゆうべも夜中にクシャミが止まらなくなりました。早く治さなきゃ。

 帰りの新幹線では沢木耕太郎の「杯」(新潮文庫)を読み始める。いまさらですが、2002年の日韓共催ワールドカップの観戦記です。当時の私自身の生活や気分などを思い出しつつ、ぐんぐん読む。懐かしいなぁ。しみじみ。2002年の大会って言やぁ、印象深いのは韓国とトルコとアイルランドですな。優勝したブラジルよりも、準優勝のドイツよりも。

 それでですよ。これは本当の偶然。いま気付いたんです。私は行きも帰りも「トルコ」に関わる本を読んだわけです。でもね。村田エフェンディが歴史文化の研究のために留学し滞在した20世紀初頭の「土耳古(トルコ)」と。ワールドカップで3位に入り、日韓両国に苦杯をなめさせた21世紀初頭の「トルコ」と。私の頭のなかでひとつに重ならないんです。私のイメージが貧困なんだ。トルコという国のことを私が知らなさすぎるんだな。(はやし)
by futohen | 2007-10-14 21:59 | 表現活動一般