人気ブログランキング | 話題のタグを見る

「ポツネン」

 小林賢太郎のソロ・コントのDVDを観ました。2本。相変わらずさすがな出来栄え。私はラーメンズの、とりわけ小林賢太郎のファンでした。狂ったようにビデオを観まくっていたのが、2001年から2002年にかけて。もう5年も前だ。その後、熱は冷めてご無沙汰でした。なので5年ぶりに再会したような気分です。すっげー懐かしい。まずはその懐かしさで泣きそう。

 相変わらずアイデアが豊富。演技が器用。演出がしゃれている。おもしろい。上手い。例えばアナグラムで笑わせる辺り、ネタ作りの趣味が私とカブる。でも私よりずっと上手い。口惜しいなぁ。感心しきり。なんだけども、そんなことよりも。この猛烈な「寂しさ」はなんなのだ! もう見ていて、寂しくって仕方がない。この孤独な感じに私は本当に泣きそうです。

 小林賢太郎ひとりでも、これだけいろいろのことができる。ラーメンズ作品と遜色ない。それは確かにすごい。でもな。あの手この手で作品を演出しても、ここには会話がない。孤独感、喪失感みたいなものが舞台を覆っていて、この物寂しさたるや、筆舌に尽しがたい。やっぱり小林賢太郎には片桐仁が必要なんじゃないの。小林の猪口才な感じと、片桐の天然のおおらかさが、相互補完的なんだ。やっぱり。ソロよりもコンビがいいよ。ラーメンズ。

 なにせ公演タイトルが「ぽつねん」なわけです。その孤独な感じも計算のうちなんでしょうが、おそらく演出意図を大きく超えて、私の胸に迫ってくるこの寂しさよ。ああ。(はやし)
by futohen | 2007-03-21 01:07 | 演劇一般