人気ブログランキング | 話題のタグを見る

県立湯河原「MIDNIGHT RADIO」

 サブタイトルが、「~青春歌年鑑80~」。時代設定は1980年12月31日。大晦日の夜です。もうすぐ新年。ラジオ番組のタイトルは「ミッドナイト・ジャパン」。これ明らかに「オールナイト・ニッポン」がモデルですよね。オープニング曲は「ビタースウィート・サンバ」だし。そのまんまや。じつはこの曲、私も先日のワークショップで使いました。すごい偶然。芝居はこのラジオ番組のパーソナリティと、常連リスナーの物語なのでした。

 この脚本を書かれた方は私より若干年上。2歳~5歳ほど年長の方なのではないかしら。私より一歩、サブカルの取り込みが早いんだな。とはいえ私もとってもうれしい。ラジオ番組に電話やハガキでリクエストがあったという設定で、80年のヒット曲が次から次へとオン・エア。聴いていて、もうたまらない。オールJ-POP(←という言葉は当時はなかったけど)。

 シャネルズ「ランナウェイ」。八神純子「みずいろの雨」。山口百恵「さよならの向こう側」。チューリップ「虹とスニーカーの頃」。オフコース「さよなら」。岸田智史「重いつばさ」(←声が尾崎豊に似ている)。南佳孝「モンローウォーク」。ばんばひろふみ「サチコ」。アリス「陽はまた昇る」「秋止符」「チャンピオン」。メモをとったわけじゃないので順不同。このね、アリスを3曲も使ったのは脚本家のご趣味でしょう。ワタシ的にはゴダイゴも入れてほしかった。あと水谷豊の「カリフォルニア・コネクション」とかも。ま、それは冗談です。

 設定は26年前ですが、扱われているテーマはきわめて今日的。というか、あまりにもタイムリーすぎて、シャレにならないほどだ。古くて新しい、悲しいテーマです。私の隣の席の年配の男性客は、芝居の中盤からずっとハンカチを目頭に当てていました。あれは、リクエスト曲が懐かしくて泣いていたのではないと思う。私もコンタクトレンズが浮いてしまいそうで、弱りました。ほろっとさせられるとかって段階じゃないです。あれは泣きますよ。

 神奈川県大会の今日が初日。私は7作品のうち5本を観ただけです。明日も6作品ある。でも私が審査員なら、この作品を推したいです。多くの人の目に触れさせたい。関東大会に進ませたい。登場人物が2名しかいないのに、あれだけ「大騒ぎ」できる。そういう点でも、この作品には見どころがあると思います。明日の審査結果、どうなることやら。(はやし)
by futohen | 2006-11-19 01:21 | 演劇一般