2006年 04月 28日
クロカミショウネン18「コクハクチ。」
手紙を朗読するシーンからあと、ばたばたばたとストーリーは進展しますが、私はキョウコの顔ばっかり見ていたような気がする。で。ほかに人がいなくなって、ノブアキさんとふたりですごす、あの時間のキョウコは最高ですね。ほんの数分だけど。私は身を乗り出して、そして「オレ、このまま泣いてしまうかも」と思ったものな。珠玉の名シーン。珠玉の名演技。
1年前のちょうどいまですね。5月のアタマでした。私が演出をして、ふたりの俳優と、いろいろ話し合い、いろいろなことを試しながら、30分ほどのお芝居を作ったのでした。そのときの演出テーマというか、目標のひとつが、「もしあれが自分で。人生の最期の30分間にこんなおしゃべりのできる相手がそばにいたなら、まぁ私の人生、わるくないのかも?」と。観客に思わせることだったのでした。まぁ、そういう意味では、あれは「ラスト・シーン」しかないお芝居だったのですね。(自分で言うのもナンだが、すてきなお芝居でした)。
「コクハクチ。」のキョウコとノブアキのあの数分間もそんな感じでした。やはり私は泣くよ。
脚本はコメディの教科書どおりという感じ。「劇的アイロニー」(←観客は「そのこと」をすでに知っているけど、登場人物はまだ「そのこと」を知らない)の部分をひっぱりすぎだとか、俳優の声が大きすぎるとか(ホスピスなのに)、注文をつけたい部分もあります。それでも私は存分に楽しみました。比べちゃ変だけど、「THE・有頂天ホテル」よりおもしろかったです。
中野ザ・ポケットにて。4月28日(金曜)のソワレを観劇。(はやし)
by futohen
| 2006-04-28 22:54
| 演劇一般