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演劇倶楽部Q&Aその2

Q.4 イメージする力をつけるために小説を読んでいますが、それはいいことでしょうか?

 はい! それはとってもとってもいいことだと思います。小説にかぎらず読書はぜひぜひ。いろいろな種類のものを読まれることをすすめます。

 イメージする力をつけるため、というのであれば、読書はもちろん、それ以上にラジオを聴くことを私はおすすめします。ラジオじゃなくたっていいのですが、耳から情報を得ること。それをアタマのなかで視覚イメージに変換しますよね。そのことが力になります。

 実戦的なことを言えば、芝居作りのなかで脚本を読むときもそうです。

 脚本に書かれてあることを、目で読むだけじゃなく、耳でも聞けるような工夫をするといい。耳で聞いて、目は閉じる。稽古期間がはじまったら、俳優は脚本をすりきれるほど読み返すはずです。このとき、目で活字を追うばかりだと、「セリフにとらわれすぎ」になるおそれがあります。このセリフはどうやって言おうかな、みたいな思考に流れてしまいやすいのです。(かならずそうなるとは言いませんよ)。

 それはちょっと困りものです。危険。

 演技は、セリフの言い方だけで処理できてしまうものではなくて、身体ごと取り組むべきものです。脚本に書かれてあることを、情景として、視覚イメージに変換できるような工夫を、脚本を読む際にも心掛けるべきです。そのためには、耳から情報を取り入れるのがいい。私の稽古では、通し稽古を「録音」して(録画ではない)、全員でテープを持ち帰っていました。全員で、というのは、俳優だけじゃなく演出家にもおなじ危険があるからです。

 そうは言いながら、それでもやはり読書はするべきです。ぜひ本は読みましょう。

 読書の習慣のない人は、集団内で軽んじられがちなものです。いやらしい話ですね・・・。劇団という集団にも、軽んじられてしまう人はいます。悲しいことですが、集団活動だと、そういう「ステイタス」の高低が知らず知らず生まれます。そして、主体的に活動するには、軽んじられてしまうと、かなり不利益です。読書さえすればいいというものでもないでしょうが、ぜひ読書はするべきです。ひとりでできることだし、お金もあまりかからないことですし。(はやし)
by futohen | 2005-07-27 00:49 | 不等辺演劇倶楽部