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劇団桃唄309「ブラジャー」その3

私(はやし) : 長谷さんはアレですか。中学か高校で3年9組だったんスか?
長谷さん : ・・・いや、劇団名に特に意味はない。

 私は長谷さんとはまだ会えば挨拶する程度の間柄にすぎません。いままででいちばん立ち入った会話が上記のものだ。もっとちゃんと話をしないとなぁ。きちんと芝居の話を。

 私も演出をしますので、長谷さんの「配置」の感覚はぜひ見習いたいところ。

 「ブラジャー」でも、舞台上の「配置」の転換によってくるっくるっとシーンが移っていきます。現実のシーンと回想のシーンとの往還がきれいなのも、小道具(帽子)の使い方も含めて、長谷さんの「配置」の巧みさによるものだと思います。なかなかあれほどスムーズには、シーンを展開させられないものです。

 俳優の登場と退場によって、がらっとシーンが変わる。それはあたかもアパートの模様替えをしたかのような感じです。おなじ部屋(おなじ劇場空間)なのに、印象ががらっと変わる。これは演劇の醍醐味のひとつであるはずです。演出をなさった長谷さんの手腕です。

 ただひとつだけ強いて難点を挙げるならば。今回の吉祥寺シアターは、いままでの劇場と比べて、タテもヨコも奥行きも大きな、大きなハコでした。もちろんその広さを豊かに使った「配置」に私は満足しましたが、それでもやや広さを持て余していた感もなくはない。模様替えの妙味はきっと(私のアパートのように)せまい部屋であればこそ効果が大きいのかなぁとも思いました。

 ハコ(の容積)が大きい分、たとえば照明は工夫が可能なんですよね。オープニングとエンディングは、絵がひじょうに決まっていた。うろ覚えですが、灯りが、おもしろい角度から当たっていたように思います。また今回は黄色の灯りが効いていました。いままで桃唄の芝居で、あれほど黄色を使ったことはなかったんじゃないかな。あったとしてもあれほど印象には残っていない。じつによかったです。

 ・・・ああ、話がまだまだ終わらない。(はやし)
by futohen | 2005-07-13 01:04 | 演劇一般