タマゴの勝利

 午後。四季自由劇場にて、今日も春フェス観劇。宮城県第三女子の「タマゴの勝利」はやっぱり傑作! 東北大会で絶賛された作品です。私は再び心を奪われました。優しさや温かさ、切実さや痛さの感触。観ながら、映画の「非・バランス」を思い出しました。私の好きな映画です。作品の感触が似ている。そう言えばあれも宮城県の映画でした。たしかそう。

 3人ともすばらしかったです。ゆったり喋っているようで、会話のテンポは結構早い。すっと立っていて立ち姿がきれい。所作や動作、身のこなしが丁寧でした。両手が遊んでいるときがない。多数決のときの手の上げ方まできれいでした。歩き方もきれいだし、リズミカル。ダンスも軽快です。ユキちゃんのダンスは手先指先まで表情ゆたかでした。東北大会で審査員が感心していた通り、この作品は上品ですね。本当に品がいい。雰囲気がいい。なかなかお話の先が読めませんが、この「先の読めなさ」も心地よい。ギルバート・オサリバンの「アローン・アゲイン」は絶妙の選曲ですね。悲しみを明るく歌う。明るい悲しさ。この作品に打ってつけだ。あの3人を同級生にしてしまわず、先輩をひとり混ぜたのが作劇上の「勝因」だと思います。丁寧語の会話が耳に心地よい。とにかく3人とも本当に素敵です。マサエがピンチのとき、先輩が走ってくる。背筋の伸びたその姿の凛々しさ、美しさ。観ていて涙が出ました。あのクールな先輩が走る。ピンチに走って来てくれる。こんなに嬉しいことがあるでしょうか。女子だけであの装置を作ったり搬入搬出したりするのはきっと大変だったでしょう。シンプルだけど、この作品にはこの舞台装置しか考えられない。スロープがとっても効いていました。

 この春フェスにも審査員がいればいいのに。順位付けはしなくていいから、ぜひ講評を聴きたいです。この作品をどんな言葉でどう評するのか。東北大会では欠点らしい欠点はほとんど指摘されていませんでした。アドバイスするとしたらどんなことだろう。(はやし)
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by futohen | 2009-03-28 21:23 | 演劇一般