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ジャブジャブサーキット「しずかなごはん」その1

 池袋のシアター・グリーン小劇場にて観劇。芝居の感想は明日にまた。

 主宰のはせひろいちさんをはじめ劇団ジャブジャブサーキットのみなさんには、長久手の劇作家大会でもお世話になりました(彼らの本拠地は岐阜です)。彼らの東京公演に、もちろん私は馳せ参じ(←なにげにダジャレてみました。はせさん)。受け付けのお手伝いです。

 おとといも私は劇場にご挨拶にうかがっています。その際、私の名古屋ワークショップのチラシをお預けしました。当日パンフへの折り込みを、劇団の方がなさってくださるというのです。私はじつは「チラシ折り込みマシーン」の一面をもち(自称「秒速1枚の男」)、指サックをバッグに常備しているほどですが、やっていただけるならこんなにありがたいことはない。

 制作担当の中杉さん咲田さん、ありがとうございました!

 今日そのパンフを見てみると、私のチラシは前から3枚目に折り込まれているじゃないですか! いいの? こんなポジションで? 1枚目と2枚目のチラシはこのシアターグリーン小劇場で今後おこなわれる公演のものでした。ということは、実質的に私のチラシは「いの一番」のポジションを与えられたわけだ。身内さながらじゃないですか。いやホント、ありがとうございます。光栄の至りです。

 この公演はシアター・グリーン小劇場の杮落とし公演だそうです。以前この場所にあった「シアター・グリーン」をスクラップ&ビルドして、新しい大きな劇場ビルができました。その杮落とし公演の、しかも初日に、私は受け付けをして、本番を見させてもいただいたのである。

 旧シアター・グリーンは、私もお借りしたことがあります。あれは、私がまだ20歳そこそこの頃の、暑い暑い夏の公演でした。あの劇場がいまはもう、ない。なんだか遠い目をしてしまいますね。仕込み作業が苦手な私はこっそりと劇場を抜け出して、池袋のデパートのテレビで高校野球を見ていた。だって、名電の試合でしたからね。そりゃ見るでしょ。

 あの夏も愛知県の代表校は愛工大名電で、2年生の鈴木一朗が3番を打っていた。試合は天理に負けましたが、2年生のイチローはヒットを打ちました。そのシーンを私は池袋のテレビで見ていた。あれから長い月日が流れ、イチローはシアトルの、世界の舞台に立ち。一方の私はいまだテアトルの、舞台の世界にある。私は再び池袋に帰ってきたのだ。

 2日目の今日は、受け付けを終えた後、上演中は受け付けの番を私がひとりで受け持つ。シアター・グリーン小劇場は、ビルのドアがありません。道路と劇場と、それの境となる、あいまいな空間に受け付けを設置する。その受け付けのイスに座って、ぼんやりと私は夜の池袋の路上をながめる。退屈したんだろう、と思うでしょ? それが、さにあらず。なんだか新鮮な気分で、私はその時間を満喫したのでした。

 ああやって、道路でも建物でもない、あいまいな空間にぼんやり座っていると、私はまるでアジアの路上にいるみたいな気分になります。私が行ったことのある国はわずかだけど、アジアの国で印象深いのは、そんな「道端」。道路でも建物でもないエリア。日本のマチナカには、あんまりないですよね。そこらの商店で、水とオレンジとタバコを買って、ぼんやり時間をもてあましていたときのような、そんなネパール的な、カトマンズ風な気分。今夜、池袋の夜を私は満喫。そんな夜ははじめてだったかもしれない。(はやし)
by futohen | 2005-09-15 23:57 | 演劇一般