2008年 02月 03日
「劇王Ⅴ」@長久手
嶽本あゆ美さんの「理由」。これは本格的な作品でしたねー。30代の姉妹ふたりの圧倒的なナマミ感(生身感)。ひとつひとつのセリフが生き物のようで、なんかこう、育ったり弱ったり元気になったり妖しかったりするのだ。嶽本さんは私と同世代です。このホンはセンスだけでは書けない。大人ならではの成熟を作品に感じます。東京から観に来た甲斐がありましたよ。失礼ながら、今大会、ここまでやや「低血圧気味」でした。それが8本目(ソワレの3本目)のこの作品で、「ようやく大会が目を覚ましたぞ」と思った。嶽本さん、すごいの書いたねー。役者の演技も舞台セットもすごいなー。私はこの作品が今日のベスト1だと思います。
鹿目由紀さんの「不惑と窓枠の行方」。素ッ晴らしくかっこいい! ホンも演出も俳優も、センスのよさがビシビシ伝わってきました。私の乏しいストックの中から無理に例えると、この作品は都立駒場の「Is-アイズ-」に肌触りが似ている気がします。徹頭徹尾、主人公の女性が自分の自意識と向き合う。あっちは高校生女子の、こっちは20代女性の、自意識。高校の授業で女子たちにこのホンを読ませてみたいなー。彼女たちはどう思うだろう。
以上の2本が私のベスト2です。帰りに上演台本を購入しました。リニモと東山線の車内で熟読。明日は審査員の講評があります。すっごく楽しみ。嶽本さんの作品がBプログラムの2位にも入れなかったのはどうしてなのだろう(Bは1位がダントツで鹿目さん。2位は徳留久佳さん。3位が嶽本さん)。明日の三つ巴決戦は、平塚直隆さんには失礼ですが、鹿目さんと柴幸男さんの一騎撃ちになるような気がします。平塚さんのもおもしろいんだが。(はやし)
by futohen
| 2008-02-03 01:24
| 演劇一般