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関東大会(桐生会場)その1

 先週に続いて高校演劇の関東大会を観ます。埼玉・群馬・栃木・長野・新潟の5県の代表11校の上演。午前5時起きで桐生にやって来ました。私は「寝ないとダメ」な体質です。睡眠時間が4時間を割るなんて、半死半生の状態だ。客席でただ寝ずにいるというだけで多大なエネルギーを消費する。そうまでして11作品ぜんぶ観ようと思うのは、長谷基弘さんが審査員だからです。長谷さんの講評からぜひ多くを学びたい。そのためには作品を観ておかないとね。

 そんな寝ぼけ眼の私が身を乗り出して観たのが、県立前橋南高校(群馬)の「姨捨DAWN」です。いやぁ、これはすごかったですね! 幕開きからただ事じゃない雰囲気。出演者は3人しかいない。しかも60分間の大半は舞台上に1人しかいない。だからセリフも非常に少ない。開演して約20分はセリフがない。なのに、すっごく情報量が豊か。能弁な身体。あんなに身体をきれいに使える高校生男子はちょっと記憶にないな。すっかり魅了されました。

 あとで気付きました。この「姨捨DAWN」の味、ラーメンズに似ていませんか? 登場人物が同時に2人までしか出ないし。舞台セットはないし。歩き方や立ち方、身体の使い方が丁寧で、それで笑いがとれるし。異質な2つのものを同時に進行させて、それが上手くシンクロするという、あの演出。その発想。とってもラーメンズっぽい。小林賢太郎が見たら喜びそう。学生服姿に白塗りだったり。能をフィーチャーしていたり。身構えますが、味わいはとっても現代的。

 それと別に、あのテントがいいんだなぁ。眺めていて、うっとり。徒歩で国内を歩き回っていた時期、この桐生にも来ましたよ。会場の近くの新川公園にテントを張りました。あの頃を思い出した。この大きな劇場の広い舞台に自分しかいなくて、観客全員が自分を観ていて、自分は黙々とテントを組み立てて、その中に入ってしまう。・・・どんな気持ちだろうなー。テントの中でランタンを焚くと、あんなにきれいなんですねー。知らんかった。見とれました。ぜひもう一度観てみたいです。8月の桐生か、3月の四季自由劇場で。(はやし)
by futohen | 2008-01-26 22:18 | 演劇一般