2007年 03月 21日
「ポツネン」
相変わらずアイデアが豊富。演技が器用。演出がしゃれている。おもしろい。上手い。例えばアナグラムで笑わせる辺り、ネタ作りの趣味が私とカブる。でも私よりずっと上手い。口惜しいなぁ。感心しきり。なんだけども、そんなことよりも。この猛烈な「寂しさ」はなんなのだ! もう見ていて、寂しくって仕方がない。この孤独な感じに私は本当に泣きそうです。
小林賢太郎ひとりでも、これだけいろいろのことができる。ラーメンズ作品と遜色ない。それは確かにすごい。でもな。あの手この手で作品を演出しても、ここには会話がない。孤独感、喪失感みたいなものが舞台を覆っていて、この物寂しさたるや、筆舌に尽しがたい。やっぱり小林賢太郎には片桐仁が必要なんじゃないの。小林の猪口才な感じと、片桐の天然のおおらかさが、相互補完的なんだ。やっぱり。ソロよりもコンビがいいよ。ラーメンズ。
なにせ公演タイトルが「ぽつねん」なわけです。その孤独な感じも計算のうちなんでしょうが、おそらく演出意図を大きく超えて、私の胸に迫ってくるこの寂しさよ。ああ。(はやし)
by futohen
| 2007-03-21 01:07
| 演劇一般