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志望理由書

 今日もしが県民芸術創造館へ。近畿大会の2日目を観ます。和歌山(和歌山)「毒蜘蛛」、滝川第二(兵庫)「志望理由書」、鶴見商業(大阪)「『きょうしつ』という『セカイ』の中で」、水口東(滋賀)「キロにつながるいつかの月日」の4作品を観劇。夕方の東海道をちょっとお散歩。審査講評。オリザさんが全作品についてそれぞれ講評するというぜいたくさ。

 滝川第二の「志望理由書」の最優秀賞は文句なし。開演して1分で「この作品は上手い!」と舌を巻き、開演して20分ぐらいで、この作品が全国大会に行くだろうな、行ってほしいなと思いました。台本のプロットが上手。遊びがあって、無駄がない。そしてこの人しかありえないという絶妙のキャスティング。抑制の効いた演技。バランス感覚に優れた演出。登場人物が4人しかいないのにまったく飽きさせない。もっとも巧みに観客を笑わせ、もっとも登場人物が愛された作品だったでしょう。全体に上品で、ニール・サイモンの作品を観ているようでした。オープニングとエンディングは「就職戦線異状なし」のイメージ?

 大阪のビッグ3(淀川工科、大谷、鶴見商業)はそのまま今大会のビッグ3。評判どおり、いずれ劣らぬ力作でした。広い舞台を有効に使い、俳優のパッションとアンサンブルで作品世界に観客をぐいっと引き込む腕力がある。腕っぷしの強い大阪の3校ではなく、台本の巧みさ、緻密さ、知的さ、抑制の効いた演技が魅力の兵庫の2校(滝川第二、神戸)が上位大会に推薦された辺り、審査員の評価にブレがないね。大阪には不運だったか。

 夜。居酒屋で大阪の先生方と飲む。楽しすぎる。高校演劇は素敵すぎる。(はやし)
by futohen | 2013-12-29 00:08 | 演劇一般